表1.1 個人的危機の帰結にかかわる要因

1 危機に陥っていると認めること

2行動を起こすのは自分であるという責任の受容

3囲いをつくり、解決が必要な個人的問題を明確にすること

4 他の人々やグループからの、物心両面での支援

5 他の人々を問題解決の手本にすること

6 自我の強さ

7公正な自己評価

8 過去の危機体験

9 忍耐力

10 性格の柔軟性

11個人の基本的価値観

12 個人的な制約がないこと

表1.2 国家的危機の帰結にかかわる要因

1 自国が危機にあるという世論の合意

2 行動を起こすことへの国家としての責任の受容」

3 囲いをつくり、解決が必要な国家的問題を明確にすること

4 他の国々からの物質的支援と経済的支援

5 他の国々を問題解決の手本にすること

6 ナショナル・アイデンティティ

7 公正な自国評価

8 国家的危機を経験した歴史

9 国家的失敗への対処

10 状況に応じた国としての柔軟性

11国家の基本的価値観

12 地政学的制約がないこと

革新的なものごとを古来の伝統だとする「伝統の発明」という現象は日本以外の国でもよく利用されてきた。「伝統発明」は明治政府の指導者による劇的な変革を成功に導いた

「側に煽動された人々によって50万人ものインドネシア人が殺されたのである。インドネシアの歴史の絵にこれらの人々の殺害を認めないとは遺漏もはなはだしい」

「ブラントがワルシャワゲットーでひざまずいたことに象徴されるようにドイツはナチス時代の過ちを認めた。そのおかげで近隣諸国であるポーランドとフランスとの真摯な関係を比較的順調に築くことができた。」

「(第一次大戦後)一般市民のあいだでは、ドイツは被害者であり、この国の不幸に対する責任は指導者にない、という見方が広まった。.…

(第二次大戦後)ドイツ人が自己憐憫と被害者意識にどっぷり浸ることはなかった。…こうしてドイツが恥を認めたことをあたりまえと考えてはいけない。日本が被害者意識を抱いたのをみればわかる。」

「フリッツバウアーが職務を果たすうえでの信条はドイツ人はみずからを裁くべし、である。…彼はアウシュヴィッツで下級職員として働いていたドイツ人を追求した。衣料室の管理者、薬剤師、医師など」

「日本人科学者のノーベル賞受賞者が相対的にみて少ない。…ノーベル賞受賞者の多くは移民第一世代かその子孫である。…進んでリスクをとり、非常に新しいことに挑戦する点が共通するので、移民とノーベル賞に関連性がある…」

「北米大陸が北米大陸が逆三角形なことと、繰り返し起こった氷河作用と、北米大陸のほぼ全体で降る適量の雨という三点がそろったことが、アメリカの農業生産性が高く、世界最大の食糧輸出国になった理由である。対照的に、中国の土壌は浸食によって大きなダメージを受けたため、アメリカほど肥沃ではなく、平均人口密度はアメリカの四倍であるため、中国は食糧の純輸入国である。

アメリカが有するもうひとつの地理的優位性は沿岸部と内陸部の両方に水路があることだ。水路は大きな節約につながる。…陸上輸送よりも10〜30倍も安価だからだ」

「ゲリマンダー」

「情報のニッチ化…アメリカ人は自分の政治観に沿った情報ソースを選んでいる」

「カナダのとある谷によく似た町が三つあった。そのひとつだけが、テレビ電波の届かない地域にあった。その町にテレビ電波が届くようになると、以前よりもクラブや会合への参加が減少し…」

「ハイキングの山道や街の通りでのフレンドリーな態度の減少(40歳未満のアメリカ人は知らない人にあいさつをしない)」

「先進国には10億人の人々がおり、…平均消費率は最大32である(途上国を1としたときの相対値)」

「先進国のライフスタイルを全員が叶えると、世界の消費量は11倍になる。…世界人口が約800億人になるのと同じ」

「アメリカの消費の多くは無駄だらけであり、質の高い生活に寄与していない」