学名: Brassica oleracea

Brassica oleracea の学名は幅広い。

青汁で有名なケールでもあるし、ブロッコリーでもあるし、カリフラワーでもあるし、キャベツでもあるし、コールラビでもあるし。

生物学的にはキャベツもカリフラワーも同じ「種(しゅ)」と分類される。 ヤセイカンランという植物から、品種改良が 行われ、このようなバリエーションができあがった。

これは、チワワもセントバーナードも同じイヌ(Canis lupus familiaris)であるのと似ている。見た目はちがうものの、遺伝子的には同じものである。人間だって、8頭身のモデルをみると、「これは同じ生物なのだろうか」と思ってしまう。

そう考えると、ロマネスコ(カリフラワーの一品種)とキャベツの差は、私とオーランド・ブルームの差ほどしかない(もしくは、「差もある」)。

ロマネスコの特徴は独特の「フラクタル」形態のつぼみである。

フラクタルは「図形が全体をみても、拡大しても同じ形をしている」もので、幾何学の一分野となっている。自然界にフラクタル構造は多くみられるが、ロマネスクほど「芸術性」をもったフラクタル形態はないのではないだろうか。

つぼみは同じ形が連なっている。実際の形は途中で連なりが切れているが、頭の中で形を続けていくと、ちょっとした頭の体操になる。

基本、「人間しかできないこと」をすることは楽しい。頭の中で図形をつくって組み立てるのは、人間しかできないこと(たぶん)だろうし、うまくできたときの「他社に伝えることができない達成感」も人間しかできない。

生のロマネスコ(カリフラワーはゆでるとおいしさが半減する)にマヨネーズをかけてかぶりつくと、幸せな気持ちになる。それに加えて、頭の中で形を組み立てていくと、高速のトンネルを飛んでいる気分になって、それも幸せな気分にしてくれる。